ただひたすらに登って歩くべし！
1月10日出発・1月14日出発
星田56連山一撃縦走と 世界遺産・仁徳天皇陵ヘリコプターフライト3日間

登山愛好家の方でも星田連山を知っている人は少ないのではないか。場所は大阪と奈良の間の交野市に位置している。近年、トレイルランナーの間で注目を集めている山域だ。星田連山の大きさはたった約3km四方という小さな規模だがなんと、この小さな山域に60ものピークがあるのだ。地元の人たちの尽力により、整備もしっかりされていて、各ピークには山名があり、全山頂には小さいながらも看板まで設置されている。山域は尾根が網目のように張り巡らされていてとても複雑な地形となっている。トレイルランナーはこの山域の60のピークを一筆書きで登ったり下ったりを繰り返し、日帰りで挑戦する。日帰り一筆書きだと累積標高差は約1,500m、距離は25km程度にもなる。山と風のツアーではさすがに日帰りチャレンジは難しいため、2日間をかけ一撃縦走することにした。そのため、1泊2日でのツアーを考えたが、前泊しない前提だと全国から星田に集合した場合、どうしても昼前後の集合時間になってしまう。縦走はまるまる2日間かかるため、1日目の夜は麓に宿泊し、2日目朝から歩けるプランで3日間とすることにした。そうなると1日目に何かおもしろいアイデアはないかと地図とにらめっこ。八尾空港が見つかった。はて？聞いたことがない空港だ。よくよく調べてみるとチャーターフライトを実施しているらしい。饒舌な営業マンに「仁徳天皇陵を上空から眺めるのがおすすめ」とすすめられた。なるほど古墳は確かに上空から眺めてこそ全体像がはっきりする。しかも古墳は大阪・堺に位置するので行きしなに大阪市内の展望も楽しめそうだ。

話は星田連山に戻る。国内ツアーはいつもなら直前に視察することにしているが、さすがにこのコースは企画段階で視察の必要がある。狭い山域に60座もピークがあることもいまいちピンとこない。はたして面白いツアーになるのだろうか。１人ではそのジャッジができる自信がなく、川高に声をかけ、一緒に星田へと向かった。実際に歩いてみると、実に複雑な尾根だ。そして2～3分ごとに山頂を踏むことになるのだ。そんな経験は今までないため、私はすぐにその希少さにはまり、小躍りしながら駆け回った。そんな私を尻目に川高は淡々と私の後ろを小走りでついてきているだけだったが、しばらくして「この網目のようなやせ尾根はおもしろいな」とボソッと一言。2日で一撃縦走をやる場合もルートどりがすごく難しい。一筆書きするためにはどうしても何度か麓に下りなければならない。いかに効率的に回るかを検討しながら行ったり来たりを2人で繰り返した。ちなみに60座でなく、56座にしたのは私有地で立ち入りが好ましくないと感じた山を除いたからである。宿泊は「アイ・アイ・ランド」に2連泊とした。視察の時に挨拶に伺い、支配人の人柄の良さに即決した。麓にもかかわらず星田連山の存在を知らなかったが、興味を持ち前のめりに話を聞いてくれた。ツアー中の送迎も快く引き受けてくれた。ガイドは星田連山の麓に拠点を置く「ソトアソ」というトレイルランニングのショップに声をかけた。星田連山のトレランイベント実施経験もあり頼もしいパートナーだ。　　　　　　　　　　　　　　星田56連山にヘリコプター、とてもミスマッチな組み合わせとなったが、山と風らしいので良しとしよう。